【紹介と評価】三國志(3DS)

三国志(3DS)

三國志(3DS)とは、コーテーテクモゲームスより2013年にリリースされた歴史シミュレーションゲームで、1995年発売のPCゲーム「三國志V」がリメイクされた作品です。コーエーの歴史ゲームの中でも「信長の野望」と並び特に人気が高いシリーズで、ナンバリングタイトル5作目の本作は優れたゲームバランスと初心者にも分かり易い設計が評価され、これまでも数々のゲーム機に移植されてきました。

中国の漢王朝末期~三国時代までの約50年を描いた作品。プレイヤーはスタートする年号(シナリオ)とプレイする勢力を選択し、内政や合戦を繰り返して中国の統一を目指します。三國志(3DS)における武将の数は約800名で、能力値の高い軍師や武将を配下に従えることでゲームを優位に進めることが出来ます。

三國志(3DS)の特徴

「名声」と「勇名」

人物の能力を示す数値の中で、「名声」と「勇名」が進行の度合いにより上下し、攻略に影響を与えます。君主の「名声」は、合戦の勝利や領土の拡張、目標の達成などによって高まる数値で、自勢力のコマンドの命令回数に影響します(数値が高ければ命令回数が増える)。「勇名」は君主と軍師以外の一般武将にとくに影響を及ぼす要素で、戦場で勲功を上げると数値が高まり勇名に応じた将軍位に就くことが出来、武将が率いる兵数に影響します(勇名値が高いほどたくさんの兵を従えられる/8000~最大20000)。

武将の能力

武力、知力、政治力、魅力など、武将には攻略に役立つ様々なパラメーターが割り当てられ、能力が高い武将を自勢力に取り込むことでゲームを優位に進めることが出来ます。また特殊能力は戦時における必殺技のような概念で、火刑(敵を火の海にし兵数を減らす)や収拾(混乱状態の味方を回復)、落石(城から石を落下し敵の兵数を減らす)など計32種類の中から最大6種類までひとりの武将が保有します。

エディット機能

各勢力の兵数や金銭、兵糧などを任意に設定し直してゲームを遊ぶことが可能です。戦況に大きく影響を与えますので、歴史のIFを描くことが出来ます。

三国志(3DS)

基本情報 「三國志」
◇ 公式サイト : https://www.gamecity.ne.jp/sangokushi/s3ds/
◇ メーカー : コーエーテクモゲームス
◇ ジャンル : 歴史シミュレーション
◇ 発売日 : 2013年9月19日
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三國志(3DS)のユーザー評価

作品の評価はスタッフの視点のみならず、有志の声や、ネット上の評判とも整合性をとりながら取りまとめを行っております。項目ごとに偏りなく網羅的に掲載するよう配慮を致しておりますが、作品によっては少人数で扱うため、別角度でのご意見や追加レビュー等がございましたら是非コメント欄にてお寄せください。また作品には当サイトの他に様々な評価があることにご留意ください。

ポジティブな評価

最初に3DS「三國志」の高評価を集約します。

<ゲーム全般の評価>PS、PSP版の三国志5のリメイクです。内政に煩わしさが無く、スムーズにテンポよく進められるゲームバランスが秀逸です。合戦では、兵数や能力のほかに「戦術」や「特技」がからみ、戦略シミュレーションとして楽しめます。三国志の歴史自体が人材と戦争を中心に伝えられるため、ここが充実しているのはゲームとして面白く、中国史の世界観も上手く表現されています。

<リメイクとしての評価>三國志5をベースとしながら、顔グラフィックは三国志11のものが採用されています。3DS版では上級のさらに上の「超級」難易度が追加されました。三国志DS3(同じく三國志ⅤがベースのDS版)より武将数が150人ほど増え、グラフィックも進化しています。陣形、特技の追加が追加され、HEX戦が一層熱くなりました。

<統一モード>統一モードでは、プレイするシナリオや勢力を変えて何度でも遊べます。配下武将をカードとして収集し、一定数集まるとスペシャル武将が解放される「武将カード」収拾もやり込み要素となります。

<英雄バトルロード>全27本のショートシナリオで構成される、戦闘だけを楽しむモードです。バトルロードは本編(統一モード)とは別のゲームで、これだけでも1本のゲームになり得る内容です。勝利条件を達成すると結果の評価がなされ、Sランクを獲得すると武将の登用や育成面で有利になるなどの特典があります。

<名君バトルロード>「五都市を制圧」「呂布を倒せ」などのお題が配信され、全国の同条件のプレイヤーとポイントを競い合うモードです。追加要素としてお得感があります。

元となった「三國志Ⅴ」が大変な人気作で、他のサイトのレビューポイントでも概ね高評価を獲得している状況です。チュートリアルも充実しており、ビギナーとしても楽しめるゲームだと思います。

賛否が分かれた評価要素

以下、「三國志」の賛否が分かれた項目を集約します。

<機能面の評価>処理速度が若干遅く画面切り替え時に1テンポ入るというコメントが聞かれました(PS版ユーザー)。また、携帯機の画面が小さいので仕方がないとしつつ、パロメーター表示が一覧で見づらいとの指摘もあります(同ユーザー)。

<中古購入の注意点>やりこみ要素である「武将カード」が初期化できず、前の持ち主が収集した情報のままになります。中古で購入の際は注意が必要です。※2016.6執筆時点ですので、アップデート等で解消する可能性はあります。

人気作にリメイクを重ねた作品とあって、完成度高くゲーム性に関するネガティブ評価はあまり聞かれませんでした。

編集部後記、こぼれ話

三国志は、吉川英治氏の小説「三国志」や80年代にNHKで放送された「人形劇三国志」、その後の漫画やゲームなどさまざまな媒体で作品化され、中国の歴史の中でもとくに日本で人気が高い歴史物語です(史実をもとに書かれた伝承)。とくにコーエーの三國志は若い世代にとって馴染み深く、このシリーズをきっかけに三国時代に関心を持った人も多いのではないでしょか。

以下外部リンクとなりますが、「ゲーム脳人」というブログで三國志シリーズを全てプレイされたという方の記事が書かれており、大変面白かったですのでシェアします→「三國志シリーズを1から13まで評価してみる」。※最下部に3DS版の評価も書かれています

要するにどんなゲームか

三国志を題材にしたシミュレーションゲームで、シリーズの中でも合戦をより重視した作品です。