【紹介と評価】俺の屍を越えてゆけ2(PSVita)

俺の屍を超えてゆけ2

「俺の屍を越えてゆけ2」とは、ソニー・コンピュータエンタテインメントより2014年にリリースされたPlayStationVita用のソフトです。1999年発売のヒット作「俺の屍を越えてゆけ(通称“俺屍”)」の15年ぶりとなる続編RPGになります。

天変地異に揺れる平安中期を舞台に、プレイヤーは陰陽士により惨殺された一族の復活をかけた冒険を行います。一族には「短命の呪い(常人の何倍もの早さで成長し2年で寿命が尽きる)」「種絶の呪い(人との間に子を残せない)」という呪いがかけられ、反対に「神と交わることで子を残すことができる」という希望を与えられます。これら3つの制約条件が「俺しか」の最大の特徴で、わずか2年の命を親から子、子から子へと繋ぎながら呪いからの解放を目指します。

「俺の屍を越えてゆけ2」の主なゲームの仕様は下記となります。

●ゲームの流れ

プレイヤーは、僅か2年という時間制限の中で力を蓄えます。大まかな流れとしては、まず屋敷や街の施設で冒険の準備を行い、討伐に向かいます。敵を討伐したのちには神と交神し、子孫を残します。このときに強い敵を倒し力をつけることによってより上位の神々と交神を行うことができ、一族の強度が増すこととなります。寿命は「健康度」というパラメータで表示され、当主(ユーザー)の健康度0になった時点でバトンタッチする子孫がいない場合にゲームオーバーとなります。

●当主と家系図

プレイヤーははじめに、一族の初代当主となるキャラクターの作成を行います。顔のパーツごとの組み合わせで決定するほか、PSVitaのカメラ機能を使って自分の分身を作ることも可能で、初代当主の特徴は親から子へと代々受け継がれます。今作における家系図は1000人まで拡張し、また神のほかに他の呪われた一族との子孫残しが可能となったため、より優秀な子を誕生させるための組み合わせを考えることも「俺の屍」の醍醐味となります。

●戦闘システムとパラメータ

俺の屍を越えてゆけ2の戦闘では、通常攻撃のほか、一般的なRPGの魔法にあたる「術」、寿命(健康度)と引き換えに大ダメージを与える「奥義」などが存在します。また戦闘時にはお宝を示すスロットが回り、戦闘後に得られる戦利品が表示されることもプレイヤーのモチベーションとなるでしょう。

一族の能力は心技体×火水風土からなる12種類のパラメータが存在し、それぞれが攻撃の能力や防御力、戦闘時のサポートの傾向などに影響します(たとえば“体の火”なら物理攻撃力に影響するなど)。そのほか、遺伝情報によって左右される「素質」が要素として存在し、各能力の上限値に影響を与えます。

俺の屍を超えてゆけ2

基本情報 「俺の屍を越えてゆけ2」
◇ 公式サイト : http://www.jp.playstation.com/scej/title/oreshika/2/
◇ メーカー : ソニー・コンピュータエンタテインメント
◇ ジャンル : RPG CERO:C(15才以上対象)
◇ 発売日 : 2014年7月17日
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俺の屍を越えてゆけ2(PSVita)のユーザー評価

作品の評価はスタッフの視点のみならず、有志の声や、ネット上の評判とも整合性をとりながら取りまとめを行っております。項目ごとに偏りなく網羅的に掲載するよう配慮を致しておりますが、作品によっては少人数で扱うため、別角度でのご意見や追加レビュー等がございましたら是非コメント欄にてお寄せください。また作品には当サイトの他に様々な評価があることにご留意ください。

ポジティブな評価

最初に「俺の屍を越えてゆけ2」の高評価を集約します。

<ゲーム全般の評価>和の世界観を旅するRPGです。浮世絵風のグラフィックと「2年で寿命を迎える」「子孫を残す」というテーマと特殊な設定が話題を呼び、1作目の発売から15年ものあいだ続編が期待さたれた作品です。とくに今作においては大幅に増えた家系図と能力の仕様により長く遊びつくせる作品となっています。

<継承>育成ゲームとして楽しめ、親の特徴が子に受け継がれる点や、両親(神と一族)の遺伝情報を家系図で確認できる仕様が競馬育成ゲームのダービースタリオンなどに似ているとされます。条件の達成により倒した鬼神(敵)と交神することも可能で、種類も豊富なことから「自分だけの一族」を作り上げることが出来ます。美男美女などの容姿にこだわったユーザーの声も聞かれました。

<その他の仕様>ストーリークリアまでの所要時間は30~100時間程度(ゲームモードによって違います)。戦闘がサクサク進むことも好感され、術の組み合わせで倍率がかかる「併せ」の新仕様なども高評価でした。他にない特殊なゲーム設計のためチュートリアルはかなり親切に説明されていますので、初心者でもやり方で迷うことは無いかと思います。

ストーリークリア後の2週目以降からが本番だとするユーザーもおり、家系図を埋め尽くすなどのやり込み要素が「俺の屍を越えてゆけ2」の魅力といえるでしょう。

賛否が分かれる評価要素

以下、「俺の屍を越えてゆけ2」の賛否が分かれた評価を集約します。

<ストーリーの評価>twitterと某大手ショッピングサイトのレビューを中心に、ストーリーに関しての評価が大きく荒れていたことを確認しました。理由は「夜鳥子」というキャラクターが物語の根幹に大きく関わり、その程度が主テーマである「一族」の存在を脇役に感じさせるほどだからとのことで、これに対しゲームデザインを担当した桝田省治氏に多くの意見が寄せられたところ、

「夜鳥子が動いているところを画面で見たいというのが俺屍2制作のモチベーションを維持できた大きな要因なので、扱い方は他にあったにせよ、夜鳥子がいない俺屍2は僕には想像できなかった」( 桝田省治@ShojiMasuda twitter引用 2014年7月21日ツイート )

と回答しています。

いずれにしてもRPGとしての遊び方自体にネガティブな声はあまり聞かれず、前作を経験したユーザーによる作品愛ゆえの反発と解されます。私(本頁執筆者)の個人的な感想でいえば、桝田氏は「俺の屍」の原作者ですのでこれはこういうものとして、プロモーションの過程で主テーマに変更があったことを伝えられたら状況は違ったのかなと思いました。

「俺の屍を越えてゆけ2」ゲーム紹介動画

◆俺の屍を越えてゆけ2 プロモーショントレーラー

PlayStation Japan youtube公式アカウントによる、2014/5/7に公開されたプロモーションムービーです。未体験の方は、他のゲームであまり見たことがない和の雰囲気たっぷりなグラフィックと世界観に驚かされることと思います。

youtubeサイト: https://youtu.be/ta0ZUyEYhWw

◆プレイ動画

youtubeアカウント angelmasao さんによる、「ゲーム実況 俺の屍を越えてゆけ2 part1」という、33分のロング動画です。キャラメイクやオープニング、チュートリアル場面などが確認できます。

youtubeサイト: https://youtu.be/TLrJnD85q1U

編集部後記、こぼれ話

17年前に繰り返し放送されていたPS版のテレビCMでは、「俺の屍を越えてゆけ」というあまりに印象的なフレーズが話題となりましたので当時を記憶している方も多いかと思います。そして「俺の屍を越えてゆけ2」の発売に際して放送されたPSVita版のCMでも、当時と同じ岸部一徳さんをはじめとした同一キャストが起用されその年月の深さに情緒を感じさせられました。PSVitaの目玉タイトルのひとつです。

要するにどんなゲームか

育成ゲームの要素を含んだ、和風グラフィックのRPGです。子孫に復讐を託します。

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